どうも
元飲食店店長のヒロシです。
私もランチでいきなり!ステーキに行こうと思ったことはありますが、値段を見てやめました。
巷では、社長の直筆メッセージが話題になっていますが、これよく読むと意味が分かりません。
しかも、店頭に掲示しているのはなぜなんでしょうか?
メディアの力を借りる気満々で、話題づくりなんでしょうか?
この行動に社長の経営手腕に疑問を持ったので、いきなり!ステーキを調査と検証しました。
いきなり!ステーキの情報
ミドルリブステーキ200g⇒1,320円(税抜き)、ランチ1,220円[税抜き]
ホームページからの引用ですが、一番安いステーキでこの価格です。
直筆メッセージには150gもやりますと書かれているので、その場合はこれです。
ミドルリブステーキ150g⇒990円(税抜き)、ランチ915円[税抜き]
1g6.6円なので↑ということになります。
ランチは計算すると1g6.1円です。
ランチメニューとしてワイルドハンバーグ300g1,100円[税抜き]があります。
これらが、一番安いメニューですが、さらにライスやサラダは別料金です。
因みに、ライスとミニサラダセットは350円(税抜)です。
すると、ランチタイムでステーキを食べたとすると合計額はこうなります。
(1,220円 + 350円)×10%(消費税) = 1,605円
これはサラリーマンの一日に使える昼食代で賄えるものでしょうか?
私は賄えなかったんです。
しかも、座って食べられる席が少ないんです。
必然的に、日常の選択肢からは外れるし、頻繁には食べに行けないですよね。
しかも、家族で行くには、小さい子供がいると選択肢に上がりませんよね。
お寿司と違って、肉は子供の顎で咀嚼するには、なかなかハードルが高く、好んでステーキを食べないです。
好んで食べる年齢は小学生高学年くらいからです。
ステーキとしては安いのかもしれませんが、飲食店の平均としては高い部類に入ります。
1,600円もあれば、100円寿司店で15皿ほど食べられる計算になります。
いきなり!ステーキ社長の直筆メッセージ
全文を引用します。
社長からのお願いでございます
従業員 皆元気良く笑顔でお迎えいたします
いきなりステーキは日本初の格安高級牛肉の厚切りステーキを気軽に召しあがれる食文化を発明、大繁盛させて頂きました。今では店舗の急拡大により、いつでも、どこでも、いきなりステーキを食べることができるようになりました。しかし、お客様のご来店が減少しております。このままではお近くの店を閉めることになります。
従業員一同は明るく元気に頑張っております。お店も皆様のご希望にお応えしてほぼ全店を着席できるようにしました。メニューも定量化150g、200からでも注文できオーダーカットも選べます。
創業者一瀬邦夫からのお願いです。ぜひ皆様のご来店を心よりお待ちしております。
はじめてのご来店のお客様へ
日本では厚切りステーキを食する文化はなかったですね。いきなりステーキが発進しました。勇気を出してドアを開けて下さい。オーダーは簡単です。感動の初体験がやみつきになります。
こういうメッセージ出すくらいなら、店閉めればいいじゃん、と私は思ってしまいました。
ただ、飲食店の管理部を経験した私からすれば、不採算店舗は閉店するか、赤字をゼロにするか、どちらかだと考えに至ります。
しかも、これはテレビなどのメディアに無料で取り上げられることが前提の広告活動です。
同情誘う系ですかね。
自腹を切ってチラシを打つとか、ネット広告出すとかしているんでしょうか。
とても腹黒くて嫌いです。
それと、店舗数が増えているのですから、全体の来店数は増えているはずなんです。
同時に増えたのは、経費です。
その売り上げ予想をしっかりとして、出店していれば、こういう状況は生まれなかったはずです。
いきなり!ステーキ社長が閉店しない理由
これは、自分の経営手腕を信じ切っている、早熟な経営者が陥る落とし穴です。
閉店したくない気持ちは分かります。
飲食店というのは、営業していれば日銭が入ってくるからです。
毎日現金が入ってくるので、閉めたくても閉められないというジレンマもあります。
それが理由の一つです。
もう一つは、単純にまだやれると経営者が思っているということです。
それがこの直筆メッセージに表れています。
しかし、店舗を拡大しすぎて、不採算店舗が増えすぎたのが、経営悪化の原因なんです。
それを、お客さんに来てください、っていうのは自らの能力不足をさらけ出している、とても恥ずべき行為だと思います。
潔く、増えすぎた不採算店舗を閉店するべきです。
対応が遅ければ、取り返しのつかない状態まで、経営は悪化するのは目に見えています。
日本人というのは新しいもの好きなので、最初は飛びつくんです。
その波が消えないうちに、店舗数を拡大してしまうと、ある時一気に売り上げが落ちるので、一気に赤字転落です。
いきなり!ステーキの店舗展開
調べると、すでに44店舗を閉店・撤退しているようです。
しかも、その中にはステーキの本場でもあるアメリカで無謀にも出店しているんです。
そして、現在は国内に488店舗があるということなんです。
私の住む地域でも、いつの間にかいきなり!ステーキに代わっていたという現象が起きていました。
ここ数年でここまで急激に拡大しているので、明らかに出店ペースが速すぎるなあと思います。
商圏人口の見積もりや計算、売上予測がしっかりとできていない場所でも、見切り発車でどんどん出店していったのではないかというのがうかがえます。
店舗の中にはFC店もあるようで、商圏を奪い合っている店舗もあるかもしれませんよね。
もしかしたら、そういう店舗が44店あったのかもしれませんね。
また、ステーキという食べ物が日本人にとってどれだけ多く食べるメニューなのかということを研究しきれていないとも考えられます。
もともと、日本人は魚食中心でした。
その為、回転ずしは今でもかなりの人気がありますが、お肉という文化はまだあまり受け入れられていないのかなという印象はあります。
だから、ステーキを専門で扱うお店も数が少なかったとも考えられるので、拡大させる業態を間違えている可能性すらあります。
その点、圧倒的に安くお肉が食べられるといえば、すぐに思いつくのは牛丼屋さんですよね。
日本人の庶民にはこれくらいのお肉で十分なのかもしれません。
飲食店の宿命
私が勤めていた飲食店はバブル期はかなり儲かっていた業態でしたが、ライバル業態が増え、客層を奪われ、何も対処をすることなく、民事再生まで突っ走っていきました。
それでも、今も細々と営業しているものの、親会社が飲食素人のファンド系会社だったので、売上金を吸い取るということが度々ありました。
そのたびに、従業員の給与を支給するために、管理部が金策に走っていました。
そんな飲食店はおそらくいっぱいあるはずです。
どうしても、流行り廃りの波が飲食業界にもあるので、そのニーズを敏感にとらえ、投資していける会社しか生き残れないのが飲食業界です。
ただ、いきなり!ステーキのを運営する(株)ペッパーフードサービスは他業態で店舗展開しているようなので、応用はできるかもしれませんね。
まとめ
いきなり!ステーキは来てくださいというのではなく、食べに行きたくなるような魅力あふれる店舗づくりをする必要があります。
直筆でお客さんに訴えるなんて、筋違いも甚だしいです。
個人的には、まだ食べに行ったことがないので、お金に余裕ができて、そのときにまだ店舗が残っていたら、食べに行きたいと思います。
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